あれば俺が大学1年生のときの4月1日のお話。
田舎者の俺はFランではあるが東京の大学に進学するということでワクワクが止まらなかった。
AO入試で9月には受験を終えていた俺は高校3年生の後半は狂ったように遊んでいた。
中学生のときのちょっとヤンチャだった奴らともまた遊ぶようになり、深夜から遊び始め、オールで学校に行き、授業は聞く意味がないので学校で寝るというそんな生活をしていた。
まぁいろんなことをして遊んでいたわけだけど、その中の1つに中学生のときの友達がバンドをやっていてその友達のライブによく行っていた。
その友達はめちゃくちゃ色んな才能があって、作詞作曲も出来れば絵も上手い、顔もイケメンで、ユーモアもある非の打ち所がないような人だった。
その友達とは中学生のころそこまでたくさん遊んでた訳ではないんだけど、高校生のとき当時「SiM」や「coldrain」、「マキシマム ザ ホルモン」等のライブによく行っていて、バンドが好きだったので高校3年の後半から仲良くなった。
音楽の話しもしたが、一緒にAVを鑑賞したり、ボードゲームを一緒にしたり、色んな思い出を作っていた。
そんな彼も4月からは東京の学校に進学することが決まっていたので、東京で一緒に飲みに行く約束もしていた。
ただ3月の終わりくらいからその友達が作る曲がかなりセンシティブな曲が多くなっていたような気がしていた。
んで4月1日。
地元の友達から電話がきた。
内容は「その友達が自殺した」とのこと。
俺はエイプリルフールのウソだと思ったが、その曲のことが頭から離れず、半分ホントなんじゃないかって思った。
他の地元の友達からも連絡がきただけじゃなく、その友達のYouTubeアカウントに死ぬ覚悟を決めた内容が綴られた歌詞の曲がアップされていたり、1月くらいから死ぬことを決めていてその心境をツイートしていたTwitterの鍵垢が公開されていた。
自殺してしまったのはエイプリルフールのウソなんかじゃなく事実で、鍵垢の最後にツイートされていた内容が
「もしかしたら誰かに止めてほしかったかもしれない」
って書いてあったのを見て、そっから2日間泣き続けた。
曲を聞かせてくれたときに俺が察していればなぁ。
そんなどうにもならない後悔が込み上げてきた。
高校生のころまで俺はかなり友達が多く、交友関係は本当に「広く浅く」といった感じだった。
特に勉強もスポーツも芸術にも長けているわけじゃないけど、友達が多いことが自分の誇りであり、その友達にも俺といれば楽しいと思って貰えていると思っていた。
そんなふうに思っていたからこそ自分は何者でもないことを思い知って、自分の唯一の宝物である友達1人助けることが出来なかったことを心から後悔した。
そこから交友関係を持つときの価値観も変わった。
深く付き合って心から支えられる、一緒にいて楽しいと思える人を探してる、そんな感じ。
こんなことがあったエイプリルフールだからこの日はずっと嫌い。